凄麺研究エントリー一覧
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この記事の目的
- 1食の塩分摂取量2.1g以下を達成できる、凄麺のご当地ラーメンを紹介します。
- 「スープを飲む量を減らすことで、塩分摂取量をひかえることができます。」は、どこまで減らせば良いのか分かります。
2.1gって、何?
- 「日本人の食事摂取基準」(2020年版)において、成人女性のナトリウムの目標量(食塩相当量:g/日)が6.5g以下です
- ちなみに成人男性は7.5g以下
- 6.5gを3食で割った2.1gを、当研究での目標値と設定しました
結論
- 重要なのは「めん・かやくの塩分量」であり、それが少ない方から6種は2.1g以下の目標を達成できる可能性があります
- めん・かやくの塩分量が最小の「熟炊き博多とんこつ」は、スープを2~3口飲んでもOK
- 総塩分量が最小の「佐野らーめん」であれば、少しならスープを飲んでOK
- めん・かやくの塩分量がギリアウトな「喜多方ラーメン」は、お湯を多めに入れれば少し飲んでOK
注意
当サイトでは、公開情報と自身での実験から得られたデータをもとに考察を行った結果を紹介しています。科学的な根拠付けや、客観的な裏付けがされているわけではありません。特に塩分濃度の計測には家庭用の機器を用いているため、正確さはイマイチです。喫食や手法の実践は、自己の責任において行ってください。
重要なのは麺と具の塩分量
凄麺は塩分量を「めん・かやく」と「スープ」に分けて記載してくれています。そのうち「めん・かやく」の塩分量がキーポイントとなります。
なぜなら、ラーメンを食べるときには、基本的に麺と具はすべて食べ、スープは好みで飲む量を調整するからです。
麺と具に含まれる塩分はすべて摂取し、スープに含まれる塩分は飲んだだけ摂取することになります。つまり、以下を仮定することができます。
塩分摂取量 = めん・かやくの塩分量すべて + 飲んだスープの塩分量
この仮定のもと、次のことが導かれます。
- めん・かやくの塩分量が目標の2.1gを超えている場合は、どうあがいても目標を超えてアウトです
- スープだけを飲まずとも、麺に絡んだスープから摂取する塩分量 + めん・かやくの塩分量が目標の2.1gを超える場合があります
- 別途、詳細な検証から、麺に絡んだスープの塩分量は0.9g~であることが分かっています
- よって、めん・かやくの塩分量のボーダーラインは1.2gとなります
めん・かやくの塩分少なさランキング
では、めん・かやくの塩分量が少ない順にご当地ラーメンを見てみましょう。
No.1~4はスープを1口~3口飲んでもOK、No.5/6はちょびっとならOK、No.7以上は麺・具だけでもアウトです。
No. | ラーメン名 | めん・かやく 食塩相当量 | スープ 食塩相当量 | 合計 |
1 | 熟炊き博多とんこつ | 0.4g | 6.7g | 7.1g |
2 | 札幌濃厚味噌ラーメン | 0.7g | 7.4g | 8.1g |
3 | 函館塩ラーメン | 0.8g | 6.6g | 7.4g |
4 | 富山ブラック | 0.8g | 7.1g | 7.9g |
5 | 佐野らーめん | 1.0g | 4.6g | 5.6g |
6 | 京都背脂醤油味 | 1.0g | 6.9g | 7.9g |
7 | 喜多方ラーメン | 1.3g | 6.1g | 7.4g |
8 | 新潟背油醤油ラーメン | 1.5g | 5.1g | 6.6g |
9 | 名古屋台湾ラーメン | 1.8g | 5.3g | 7.1g |
10 | 横浜とんこつ家 | 1.9g | 4.5g | 6.4g |
11 | 静岡焼津かつおラーメン | 1.9g | 5.2g | 7.1g |
12 | 尾道中華そば | 1.9g | 5.5g | 7.4g |
13 | 信州味噌ラーメン | 1.9g | 5.7g | 7.6g |
14 | 長崎ちゃんぽん | 1.9g | 5.0g | 6.9g |
15 | 仙台辛味噌ラーメン | 2.0g | 6.6g | 8.6g |
16 | 奈良天理スタミナラーメン | 2.1g | 6.5g | 8.6g |
17 | 和歌山中華そば | 2.4g | 4.4g | 6.8g |
18 | 千葉竹岡式ラーメン | 2.5g | 5.1g | 7.6g |
19 | 青森煮干中華そば | 2.5g | 5.9g | 8.4g |
20 | 横浜発祥サンマー麺 | 2.8g | 4.6g | 7.4g |
塩分摂取量を実際に測ってみた
スープを飲まずに麺だけ食べたら、塩分をどのくらい控えられる?
理屈ではなく、実際に測ったらどうなるの?
その疑問に答えるため、塩分濃度計を買って検証しました。
- 残ったスープの塩分濃度を測定して、
- 残スープの重量×塩分濃度=残塩分量 を求め、
- その凄麺の総塩分量ー残塩分量=塩分摂取量 を算出します。
お湯を規定量入れて調理
それでは、実際にやってみます。今回は「佐野らーめん」です。
公式のお湯量目安は430cc。熱湯の比重を考慮して450gを投入します。
(熱湯は1ccあたりの重さが水より低くなります)
出来上がったら美味しくいただく
調理時間が経過したらスープを入れ、完成です。
飲みたくなるのを我慢して、麺と具だけ食します。
スープの塩分濃度を測る
麺と具をきれいに食べて残ったスープに塩分濃度計を入れ、測定します。
残ったスープ重量を測定
残スープ+丼の重量を基準に、スープだけ取り除いた丼の重量との差を測ることで、残スープ重量を算出します。
残ったスープの塩分量を算出、摂取塩分量を推定
残スープ重量333g × 塩分濃度1.1% = 残スープ塩分量3.66g
今回食した佐野らーめんの総塩分量5.6g – 残スープ塩分量3.66g = 塩分摂取推定量1.94g
目標の2.1g以下を達成!
飲んでもよいスープ量は?
目標2.1g – 塩分摂取推定量1.94g = 摂ってもよい塩分量0.16g
摂ってもよい塩分量0.16g / 塩分濃度1.1% = 飲んでもよいスープ量14.5g
スプーン1杯くらい。
少な・・・! レンゲ1杯だとアウト・・・!
他のラーメンでは検証していないの?
しています。いくつかのラーメンでのデータ分析により、スープから摂取する塩分量が最低0.9gほどであることを確認しています。
データ中心となるので、別の記事でまとめるかもしれません。
まとめ
通常通りに作り、スープを飲む量を減らすことで、塩分摂取量を2.1g以下に抑えることができる凄麺ご当地ラーメンが6種類ありました。
ただし、飲んでもよいスープの量は、最大でも3口くらい(スプーン3杯=レンゲ2杯くらい)と少ないです。
苦行です。凄麺はスープも美味しいので。
きわどくアウトな喜多方ラーメンは、湯量を多めにすると、2.1g以下に抑えられます。詳細は別記事にまとめるかもしれません。
僕は喜多方ラーメンが一番好きなので、一番真剣に検証しています。そのままではアウトという結果は非常に残念でしたが、湯量UPという希望が残って幸せです。